ハダノ元教頭が GIGAスクール と DX人材育成 について考えるブログ

PCレクでお手軽音楽制作―3
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PCレクでお手軽音楽制作―3

🕓 2/3/2025 ↻ 2/24/2025

 卒業式シーズンは、BGM制作のオーダーがよくはいります。 → 🔗卒業式BGM用にAIツールでイギリス民謡を編曲


 今回の挑戦は、、、

卒業組曲のAI自動演奏は不気味の谷を越えたか

お急ぎの方はこちらへ


アヴェ マリア の伴奏を豪華にしてみたい

のときの伴奏は、すべて Waveform Free付属音源「4OSC」の中から割り当てました。4OSC は軽くてよいのですが、シンセ系なので生楽器系に比べるとチープな感じに聞こえます。

 MIDIファイルを音に変換するとき、ベタ打ち(楽譜通り)だと自然な音楽に聞こえません。大根役者がセリフを棒読みするのと同じです。表現意図に従って抑揚をつけてこそ聴きごたえが出てくるのです。

 もし、ベタ打ちのまま音色だけ生楽器系にすると、

 ♪ HALION SONIC による カッチーニ の アヴェ マリア伴奏(冒頭)

、、、という感じで、音色がリアルになった分、かえって演奏の不自然さが目立ちます。

 やはり、ベタ打ちならシンセ系のシンプルな音で我慢するしかないのでしょうか。


楽譜から自動でリアルな演奏表情を与えるAIオーケストラ音源「NotePerformer」

 前から気になっていたAI自動演奏ソフト 🔗NotePerformer4 を買ってみました。

 普通のソフト音源と違ってDAWのプラグインとして動かすのではなく、楽譜作成ソフトの「Sibelius」「Finale」「Dorico」の上で動かします。

 🔗Dorico SE なら、8パートまでという制限はあるものの無料で使えます。🔗Cubase と同じメーカーである点もハダノには安心です。

 とにかく、アヴェ マリア の伴奏を NotePerformer で演奏してみます。

  • Dorico SE を起動
  • ファイル(F) - 読み込み(I) - MIDI… で、伴奏部分の MIDIファイル を読み込む
  • 再生(A) - 再生テンプレート…(T) で、HALion Sonic のかわりに、NotePerformer を選び、適用して閉じる(A)
  • 再生タブ の 02-NotePerformer の右端の e(インストゥルメントを編集) で NotePerformerのウィンドウを表示
  • 各楽器の音量やパンを変えたり、ミュートしたりできる
  • 再生ボタンを押すと、AIによる楽譜解析が終わり次第再生される(約1秒後)
  • Insertエフェクト でVSTプラグインを挿入してエフェクトをかけることもできる
  • ファイル(F) - 書き出し(E) - Audio… で、WAVなどのオーディオファイルとして書き出す
Dorico で HALion Sonic から NotePerformer に切り替え

 ♪ NotePerformer による カッチーニ の アヴェ マリア伴奏(冒頭)

、、、なかなかよさげです。サックスによる主旋律を合わせると完成です。


カッチーニのアヴェマリアのジャケット画像

 ♪ カッチーニ の アヴェ マリア

制作:ハダノ 編曲:Orb Composer Pro S 1.5

音源:NotePerformer4, Clarii mini(ソプラノサックス、アルトサックス)

 

 ぜひ、前回の 4OSC版 と聴き比べてみてください。 → 🔗4OSC伴奏による カッチーニ の アヴェ マリア


卒業式BGMにふさわしいオーケストラ曲は

 こうなると、今までベタ打ちMIDIからミックスダウンしてきたオーケストラ曲をNotePerformerで作り直してみたくなります。

 卒業式BGMでは、バッハの管弦楽組曲を使うことが多いハダノです。

  • 卒業生入場 :管弦楽組曲第3番 - 1 序曲
  • 卒業証書授与:管弦楽組曲第3番 - 2 アリア
  • 卒業生退場 :管弦楽組曲第4番 - 5 レジュイサンス

、、、入場・退場はほぼ定着しています。流行歌のように厳粛な式の雰囲気をこわすおそれがありません。

 問題は、入場前のBGMです。

 参加者がハイテンションになってざわざわしている中で、「卒業生入場!」となるとしまりがありません。

 入学から卒業までの日々を落ち着いて回想できる音楽が静かに流れている、、、フェイドアウトしてシーンとなったところで「卒業生入場!」となるのが理想です。


ハダノ
私は中学校教員です。卒業式のBGMを検討しています。式が始まる前のざわざわした会場の雰囲気を変えるために、……クラシックの管弦楽曲を10曲提案してください。
ChatGPT
卒業式の雰囲気を一層引き立てるために、初めて聴いても懐かしい感じがするクラシックの管弦楽曲を10曲ご提案します。
  1. エルガー - 威風堂々 第1番
  2. ドヴォルザーク - 交響曲第9番「新世界より」第2楽章
  3. チャイコフスキー - 弦楽セレナード 第1楽章
  4. シベリウス - フィンランディア
  5. バッハ - G線上のアリア
  6. モーツァルト - アイネ・クライネ・ナハトムジーク 第2楽章
  7. メンデルスゾーン - ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 第1楽章
  8. グリーグ - ペール・ギュント組曲「朝」
  9. ラフマニノフ - パガニーニの主題による狂詩曲 第18変奏
  10. ブラームス - ハンガリー舞曲第5番

これらの曲は、聞く人に穏やかな感情を呼び起こし、卒業までの思い出を振り返るのにふさわしい雰囲気を作り出すでしょう。式の進行に合わせて選曲してみてください。素晴らしい卒業式になることを願っています! 🎓

ハダノ
ありがとうございます。
8番は入学式に合いそうですね。
2番は卒業式が始まる前のBGMにピッタリだと思います。
実は、5番は卒業証書授与で使う予定です。今回はバッハで統一してみたいと思います。
そこで、バッハの管弦楽組曲の中で卒業式が始まる前のBGMにふさわしい曲を理由付きで5曲提案してください。
ChatGPT
バッハで統一するのは素晴らしいアイデアですね。卒業式の雰囲気を一層引き立てることでしょう。卒業式が始まる前のBGMにふさわしいバッハの管弦楽組曲から、以下の曲を提案します。
  1. 管弦楽組曲第2番 - 2 ロンド :この曲は、穏やかで流れるような旋律が、会場の緊張感を和らげます。
  2. 管弦楽組曲第3番 - 2 エア(G線上のアリア) :落ち着いたテンポと美しいメロディーが、思い出に浸るひとときを演出します。
  3. 管弦楽組曲第1番 - 3 クーラント :軽やかで明るい雰囲気が、心地よい期待感を醸し出します。
  4. 管弦楽組曲第4番 - 5 サラバンド :優雅で荘重な音楽が、卒業の感動を盛り上げます。
  5. 管弦楽組曲第3番 - 4 ガヴォット I/II :リズミカルで洗練された音楽が、聴く人の心に響きます。

これらの曲は、卒業式の開始前にぴったりの落ち着いた雰囲気を作り出すでしょう。卒業式が素晴らしいものとなることを願っています! 🎓

 🔗Copilot に相談した結果、管弦楽組曲第2番 - 2 ロンド に決定しました。


BWV1067-2 ロンド は卒業生入場前のBGMにぴったり

ChatGPT
素晴らしい選曲ですね!卒業生の皆さんにとって心に残る卒業式になることを願っています。テンポを半分に落とし、音量を控えめにする工夫も、穏やかで落ち着いた雰囲気を演出するのにぴったりだと思います。
他にも何かお手伝いできることがあれば、どうぞお知らせください。成功をお祈りしています! 🎓✨
 Dorico の記譜タブでBWV1067-2を表示し、テンポを120から60に変更しました。 DoricoでBWV1067-2の楽譜

 BWV1067(管弦楽組曲第2番)は、ほとんどフルート協奏曲と見なされています。

 「ターラリラーー ターラリラーー」という印象的なフレーズも、フルートが奏でていて他は伴奏していると思い込んでいました。

 しかし、楽譜をよく見て気づきました。

 フルートと第1ヴァイオリンが奏でているのは「ターラーラーー ターラーラーー」です。これに第2ヴァイオリンとヴィオラが加わってはじめて「ターラリラーー ターラリラーー」と聞こえるのです。

 おばあさんの昔語りのように、素朴でありながら人生の重みを感じさせる音楽の秘密を垣間見た気がします。さすが、大バッハ先生です。


卒業組曲を NotePerformer で演奏してみた

 これで、バッハの管弦楽組曲のアンソロジーによる「卒業組曲」のラインナップがそろいました。あらかじめ楽譜を切り貼りし、8パート以内かつ数分以内におさめておいてから、AI自動演奏ソフト 🔗NotePerformer4 で演奏します。

  1. 入場前 :第2番 - 2 ロンド

 ♪ 卒業組曲 - 1 入場前

  作曲:J.S.バッハ 編曲:ハダノ 音源:NotePerformer4


  1. 入場  :第3番 - 1 序曲

 ♪ 卒業組曲 - 2 入場

  作曲:J.S.バッハ 編曲:ハダノ 音源:NotePerformer4


  1. 証書授与:第3番 - 2 アリア

 ♪ 卒業組曲 - 3 証書授与

  作曲:J.S.バッハ 編曲:ハダノ 音源:NotePerformer4


  1. 退場  :第4番 - 5 レジュイサンス

 ♪ 卒業組曲 - 4 退場

  作曲:J.S.バッハ 編曲:ハダノ 音源:NotePerformer4


卒業組曲のジャケット画像

A surrealist painting of the Virgin Mary surrounded by glowing particles playing the violin above the heads of junior high school students wearing navy blue blazers who sing a solemn graduation chorus in the gymnasium.

というプロンプトでジャケット画像を生成しました。市販品に見えるクオリティです。


【まとめ】卒業組曲のAI自動演奏は不気味の谷を越えた

のように、ロボット以外でも「不気味の谷」のような現象は起こるようです。

 オーケストラ曲の場合、ベタ打ち(楽譜通り)だと自然な音楽に聞こえません。「楽譜を解釈してリアルな演奏表情を加える」のはたいへんです。ある楽器に長けていてMIDI入力などでそれができたとしても、すべての楽器となると指揮者なみの能力と根気が要求されます。 → 🔗なぜクラシック音楽ファンは「誰が指揮するか」をやたら気にするのか

不気味の谷

 せっかく生楽器系のソフト音源を入手してリアルな音色にしても、ベタ打ちだと不気味の谷に落ち込んでしまいます。シンセ系のソフト音源ならかえって不気味の谷の手前にとどまれます。

 「リアルさ追求」と「不気味の谷回避」のジレンマで、生楽器系とシンセ系を半々使うと、中途半端に不気味の谷に落ちかかっていました。コロナ禍前に作ったものをお聴きください。

 ♪ 管弦楽組曲第3番 - 1 序曲「卒業生入場」(ばっすい)

  作曲:J.S.バッハ 制作:ハダノ 音源:UVI,Garritan


室内オーケストラ

 以前の作品と比べると、今回の卒業組曲は鑑賞に耐えるのではないでしょうか。「超一流の楽器ではないけど頑張って演奏してる」感じに聞こえます。

 楽譜に細かい書き込みをすれば、さらに豊かな表現ができそうです。NotePerformerによる自動演奏は不気味の谷を越えたと言っていいでしょう。


全国の音楽の先生方へ

 複数パートの楽譜を音にしたければ、 NotePerformer4 をお試しあれ!!



※ パイプオルガンかエレクトーンでもない限り、一人で複数パートを奏でるのは無理なので、DTMの出番となります。
NotePerformerはあらゆる楽器の音源がそろっているうえに、大量の演奏データを学習したAIが楽譜から自動でリアルな演奏表情を与えてくれます。
操作はあっけないほど簡単で、お手軽音楽制作にもってこいです。


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教育DXブログの著者: ハダノ
ハダノ顔 Q大理学部生物学科数理生物学研究室にて分子進化学権威の宮田隆氏のもとFORTRANでDNA解析に没頭。F社のSEに内定していたが、科学のおもしろさを教えるため中学校理科教員を選択。
 新任のころから、「答えのない問題を追求させたい」「団結力と文化的な力を集団づくりで」「教育研究をもっと科学的に」「教育の情報化が必要」「チョーク&トークの注入式授業からアクティブラーニングへ」「教科横断的なSTEAM教育で生涯学習・SDGsへ」という思いを持ちつつ、4市10校にて勤務。
 9年間の教頭時代、さまざまな不条理・矛盾に悩み、ICTによる働き方改革を推進。2021年3月定年退職。「特定の学校だけでなく、広く人材育成を」「日本陥没をDXで食い止めたい」「元教員の自分にできることを」と、教育DX研究の道へ。
 おおいたAIテクノロジーセンター会員。デジタル人材育成学会・日本STEM教育学会・日本情報教育学会・データサイエンティスト協会・日本RPA協会の会員。JDLA G検定 2022 #1 合格者。
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