Windowsタブレットと無料DAWでDTMスタート!
親戚のS君が小学生のためにクリスマスソングを演奏したときの苦労話を聞きながら、ハダノは思いました。もっとDTM(デスクトップミュージック)のハードルを下げなければ……と。
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PCレク(ポストコロナ・レクリエイション)= 巣ごもり明けの再創造
18世紀後半の田沼時代、江戸の町人を中心に「化政文化」が隆盛を極めます。寺子屋の普及で庶民の識字率が向上し、狂歌や浮世絵、歌舞伎や落語などの「日本的文化」が形づくられていきました。「受け手でいるより自分で作りたい」と、身分から解放されてだれでも創造できる自由な場が生まれ、日本のポップカルチャーにも引き継がれていったのです。
巣ごもり中に、「創作活動」を始める人が急増しました。パンデミックも悪いことだけではないと感じられました。しかし、新型コロナ5類移行後は下火になっていきました。もったいない話です。
そこで、「PCレク」です。ポストコロナの自発的創造的余暇活動を盛り上げていきましょう。ハダノが思うには、パーソナルコンピュータをうまく使うのがポイントです。
PC(ポストコロナ)こそPC(パーソナルコンピュータ)を活用しよう!
、、、などからわかるように、後発のスマホやiPadに比べPCは時代遅れと見なされがちですが、PCの衰退はICTの衰退を招きます。
「受け手でいるより自分で作りたい」という願いは、PCでこそ実現します。プログラミングにせよ、音楽・静止画・動画・文書などのコンテンツ作成にせよ、個々のパーツを組み合わせるにはPCが必須です。
「PCレク」は「PC活用」がポイントなのです。
音楽制作もPCで
によれば、
- メインで使用する楽器は「音楽ソフトウェア」がトップに!
ということなので、「音楽制作もPCで」が本流と言えます。
ハダノの音楽制作を振り返ると、
- 20代、🔗ミュージくん・アレンジくん・WX7とPC-9801で始めたDTM、特殊なハード・ソフトに苦戦
- 教員時代、DTMを活用してクラス合唱練習で音取り、音楽教員に頼まれてMIDIからMixdown、、、
- 「定年退職後は、趣味のDTMに力をいれよう」と、3年前からリサーチし、🔗オーディオインターフェースの UR22C を購入
- コロナ禍に突入し、給付金で 🔗EWI5000 を購入するが、気軽に使えずなかなか使いこなせない
- 退職後、iPadを購入してDTMしようとするが、PCに比べ非力だしPC用ソフトも使えず不便
- デスクトップPCはじっくり制作できるが、持ち運べない
、、、と、モヤモヤしていましたが、Windowsタブレットを購入して、
と気づきました。「Windowsタブレットと小型ウィンドシンセならお手軽DTMできるのでは?」と希望が出てきました。
お手軽DTMはいかが?
オーディオインターフェース GCE-3 は、接続の要です。
Clarii mini からのアナログ音声(青字)をデジタル音声(赤字)に変換してPCへ送り、PCからのデジタル音声(赤字)をアナログ音声(青字)に変換してスピーカーへ送ります。
※ ステレオミニプラグをモノラル標準プラグに変換するため、プラグアダプターの 🔗AP-100A と 🔗AP-112A を連結してINPUTへ。
タブレットスタンド と フレキシブルアームのスマホホルダー を使ってセットするとこのようになり、楽譜を表示したまま伴奏に合わせて演奏できます。
従来のセットと比べると、違いは明白です。🔗オーディオインターフェースの UR22C は持ち運びには適していません。何より、大きくて重くストラップ必須なうえに単体で音が出せない 🔗EWI5000 に比べ、🔗Clarii mini は コンパクトです。タッチキーなどの操作部の大きさは同じですが、全体が小さく軽いうえに単体でそこそこいい音が出ます。
Clarii mini は、半年後にバージョンアップし、大きく進化
- ClariiOS V2.0になって、半音キーの反応が良くなった
- Clarii App2.0になって、音色が追加・更新された。メリハリが付き、深みが増し、楽器の個性が鮮明に
- Clarii mini という名前なのにクラリネット音色がなかったが、今回追加された。本体にインストールし、小型クラリネットに変身!
お手軽DTMでアヴェマリアを演奏してみた
のときは、実際の演奏をAIツールでMIDIに変換して作りました。
今度は、AIで編曲したものを自分で演奏してみたいと思います。リアルタイム録音の魅力は、なんといっても「楽しさ」です。
と同じように Orb Composer を使い、テンプレートは Strings を選択します。できあがったものを Export MIDI で外へ書き出します。
AEROPAD で Waveform Free を立ち上げ、そのMIDIファイルを読み込みます。各パートへの音色割り当てについては、今回はすべてDAW付属音源の中から選びました。ステレオ感が出るよう各パートのパンを指定し、音量も調整しておきます。
オーディオトラックを作って録音可能状態にし、全体を再生しながらメロディー部分を Clarii mini で演奏練習します。
吹けるようになったら、録音ボタンを押して 演奏を録音します。ソプラノサックス版とアルトサックス版の2回(GCE-3のエフェクトも変えて)録音します。
前半と後半で曲想に合う方を選択し、もう片方はミュートしたうえで、オーディオファイルに書き出して完成です。今回は素の実力を確かめるため、PC上での加工はしていません。
♪ カッチーニ の アヴェ マリア
制作:ハダノ 編曲:Orb Composer Pro S 1.5
音源:Waveform Free 4OSC, Clarii mini(ソプラノサックス、アルトサックス)
ジャケット画像は、「Ave Maria Caccini
」というプロンプトだけでガチャを回して生成しました。
「ヘタッピーだけど心を込めて演奏しました」的な雰囲気は出ています。
【まとめ】Windowsタブレットと無料DAWでお手軽DTMできる!
DTMのモヤモヤを解消する一つの方法が見つかりました。
やってみて心に浮かんだのは、、、
- GCE-3 はコスパ抜群の神機。アコースティック楽器奏者でオーディオインターフェース機能が不要な人は、同じメーカーの 🔗A1X FOUR がいいかも。ルーパー・リズムボックス機能もあるので、PCレスで一人セッションできそう。
- GCE-3 のような外部エフェクターでエフェクトをかけると、PCに負荷がかからずにチープな音がリッチになるなぁ……
- 録音などアナデジ変換が不要なら、オーディオインターフェースの代わりに、DAC でデジアナ変換すればよい。🔗エアリア Kyo-ons HQサウンドアダプタ が超小型格安でお手軽かも。
- 「無料DAWは制限が多くて使い物にならない」というのは偏見だった。Waveform Free は、基本的な作業においては高価なDAWと遜色ない。操作パネルにヒントが表示されるので、安心して使える。Cubaseよりも動作が軽く、直感的に操作できるかも。
- DAWを使えば、各パートの音量を変えたり、テンポやキーを変えたり、メトロノーム機能を使ったりして楽に演奏練習できる。メトロノームは録音されないので助かる。
- 電子楽器は、音色を変えられるだけでなく、トランスポーズができるので便利。♯♭の多い調の曲を少ない調に移調した楽譜を見ながら演奏しても、ちゃんと元の高さの音になるので助かる。
- 内蔵音色固定のEWIと違って、好きな音色を追加購入して内蔵できるClarii mini は理にかなっている。バージョンアップによって、音色や操作性が改善されるのは電子楽器ならでは。
- 「楽譜表示なら Piascore 一択」という風潮があるが、iPadにとらわれすぎではないか。MobileSheets ならいろんな機種で動くのに。
- Windowsタブレットなら iPadより安く入手できるうえに、MobileSheetsでの楽譜表示、GCE-3 のエフェクト編集・切替、Waveform Freeなどの本格DAW、PC用のソフト音源がすべて使え、マルチタスクOK、、、といいことづくめ。
- Appleがこれに対抗するには、「Macタブレット」しかないけど、iPadが売れなくなるから出さんだろうな……
、、、と、別なモヤモヤが出そうなので、「お手軽DTM」との出会いに感謝しながら音楽制作を楽しんでいきたいと思います。
歌がなければ歌えばいい 誰かがこれをやらねばならぬ STEAM界隈ハダノ
※ 「ギター用/ベース用」と書かれていますが、PCソフトでいろんな楽器用エフェクターに変身します。
ウィンドシンセの場合は、アコースティック楽器用エフェクター A1 Four をエミュレートするとバッチリです。
ボタンは飾りで、PCとつなげばオーディオインターフェースだけでなく1台何役にもなるミラクルな製品です。
※ 電子リコーダー的な製品はいろいろありますが、この Clarii mini はよく考えられています。
デザインもおしゃれで迷いましたが、ハダノは高級感のある黒(エボニーゴールド)にしました。
まだネットで話題になっていませんが、Ver2になってオススメ度爆上がりのウィンドシンセです。
※ しっかりした作りで、さまざまに変形できるタブレットスタンドです。
座っても立っても演奏しやすい譜面台です。
使わないとき邪魔にならないのもうれしい点です。
※ しっかりした作りで、自由に変形できるスマホホルダーです。
ハダノ愛用のポータブルスピーカーを固定するのに重宝しています。
支柱やテーブルにワンタッチでつけられます。
※ GCE-3 のINPUTがモノラル標準なので、まずモノラルミニに変換します。
※ ウインドシンセからのPhone出力がステレオミニなので、モノラルミニをステレオミニに変換します。
※ マイクアダプターが付属しており、アコースティックギター、サックス、トランペット、バイオリンなど幅広く対応するエフェクターです。
エレキギター用のものが多い中、ウィンドシンセにも使える貴重なエフェクターです。
PCなしで使うならハダノはこちらをおすすめします。
※ とにかくちっちゃいDACです。
スマホなどからヘッドフォン端子が消えて、USB端子のみになったので必需品です。
3種のイコライザーで音質変更可(OFFにもできる)、こだわらなければこれで十分かも。
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