ハダノ元教頭が GIGAスクール と DX人材育成 について考えるブログ
いざDXに取り組もうとしたものの、
「いろんな技術があるけど、どれも難しそう」
「何からやればいいかわからない」
という声が多く聞かれます。
DX(データとデジタルによる変革)のうち特に重要なのは、AIによる意思決定・アクションです。ゆくゆくはAIによる業務自動化で人手不足が解消され、人はより本質的な仕事に集中できるでしょう。
「でも、AIなんて難しくて私には無理」とあきらめてはいませんか。どんな技術も「作る」のに比べて、「使う」だけならはるかに簡単です。高度なAI技術を手軽に使えるようにしたAIツールがたくさん出てきました。
🔗『最近話題になった 音楽生成AI まとめ』 によると、「テキストからBGMを生成」「音楽を学習してそれっぽい新曲を生成」「オーディオからMIDIに変換」などさまざまなツールが話題になっています。作曲系ツールは音楽センスが要求されるので、既存の曲に味付けをするエフェクト系ツールを中心に使っていきたいと思います。
一般にAIの計算は、CPUよりGPUの方が数倍高速に実行できます。Demucsでは、GPUでの処理を選ぶことができ、20倍近く高速化できるようです。ハダノのPCには、業界トップNVIDIA社の RTX2070 というGPUが入っているので、実用的な速度で実行させることができました。
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→ 🔗Spotifyがオーディオデータを自動でMIDI変換するAI搭載ツール「Basic Pitch」をリリース
11種類の楽器の学習済みモデルがプリセットされています。その楽器の得意な音の範囲を外れると、変換が破綻してしまうようです。そのようすもグラフィカルにリアルタイム表示されます。懸命に変換しようとするAIがけなげに思えます。
→ 🔗DDSP-VST Magentaから初のVSTプラグインは音響合成を使用したNeural Synthesizer
カラフルなおにぎりの中の丸を動かして、3種類のリバーブを自由にブレンドできます。あとは Dry/Wet でかかり具合を調節するだけでいい感じに仕上がります。100%Wetにすると、「ツンツン → デレデレ」ぐらい変わります。
三大アヴェマリアのひとつであるカッチーニのアヴェマリアを、先月一周忌を迎えた母に捧げることにしました。
カラオケは UVI Orchestral Suite の String Ensemble で演奏し、歌声は Bassoon に変換、あとは前記の要領で作成しました。DAWは Cubase Elements を使っています。処理が重いせいか、しばしば動作がもたつきましたが、何とかできあがりました。
カッチーニ の アヴェ マリア
制作:ハダノ MIDI生成:Demucs,Basic Pitch
VST:UVI(String Ensemble),DDSP(Bassoon),Clarity Vx,Neoverb
ジャケット画像は、画像生成AIに Ave Maria と打ち込んで生成させました。何語かわからない文字やキリスト教的でない描写が微妙ですが、それっぽい雰囲気は出ています。
🔗相棒と呼べる電子楽器を求めて の記事の中で、
”電子楽器は、デジタル技術による量産化で広く普及してきたが、内蔵音源は「不規則性」がないため味気ない音になりがち。”
と述べました。
今回実感したのは、デジタル特有の「不規則性」も存在するということです。音が突然「プチッ」と途切れたり、処理に伴う歪みや雑音が発生したりします。そういう「デジタル臭」を和らげるのにもAIツールは役立ちます。
ただし、やりすぎると味気ない音になってしまいます。加減は、人の感性しだいです。
できあがった音楽を流していたら、父が「ア~ヴェマリ~ア…」と自然に口ずさんでいました。