GIGAスクール構想でどんな「未来の教室」に？

　GIGAスクールはうまくいっていますか？　デジタルの進歩についていくのがたいへん、これ以上仕事をふやさないでと悲鳴をあげていませんか？

　そんなあなたと、「未来の教室」について考えていきましょう。未来が子どもにとっても教員にとっても明るいものとなりますように…

GIGAスクールは失敗する？

• GIGAスクールはゆとり教育以上の失敗になるであろう

というショッキングな意見が中沢良平さん（元エンジニア、頼まれて時々臨時教員）から出されました。「端末を導入してなにをしたいのかまで考えていなかったのである。あったのかもしれないが、少なくとも現場の教員には伝わっていない」という部分には、多くの教員がうなづくと思います。

　しかし、「だから失敗しても仕方ない」ですませるわけにはいきません。教員をデジタル時代に対応させるために、研修強化なんてことになりかねません。現場の教員に伝わっていないのであれば、今からでもビジョンを共有すべきです。

まずは「ふだん使い」を

　やらされる取り組みから能動的な取り組みに変えるためには、いきなり授業で使うのではなく、「ふだん使い」がポイントだと思います。

　いくら自動車学校で教わっても、ふだん運転しなければ運転できるようにはなりません。ICT研修で教わっただけでは不十分です。ふだんの校務、私用（趣味など）で使っているうちに慣れてきて、まごつかずに指導できるようになると思います。

　GIGAスクールでは、タブレットの操作に慣れるだけでなく、クラウドにも慣れる必要があります。ロイロ、iCloud、OneDrive、GoogleDrive などのクラウドサービスは、IDとパスワードがわかれば、WindowsPCからでも使えます。まずは、自分が作ったファイルをこれらのクラウドにコピーし、別の端末から開いてみると便利さがわかるでしょう。

学びの探究化へ【Update 2023.3.18】

　タブレットやクラウドに慣れたら、いよいよ本来の目的めざして進みましょう。そうです、「STEAM教育」です。

　STEAM教育は、世界の教育改革シーンで重視されているコンセプトの一つで、イノベーション・アート思考の重要性から産業界も重視し始めました。Sciense・Technology・Engineering・Art・Mathematics の頭文字を組み合わせた、教科横断的な探究・創造型教育です。

　せっかく教科横断的な総合学習の時間があるのに、

• 「SDGsに取り組んでいるけど、自分事になっていない」
• 「地域連携しているけど、連絡調整がたいへん」
• 「過去をなぞっているだけで、発展性がない」
• 「マンネリ化してきたけど、入試に関係ないし……」

と、お荷物の時間になっていませんか。もし、そうならもったいない話です。ぜひ、STEAM化してワクワクを取り戻しましょう。

　例として、こんなのはどうでしょうか。

• 🔗「地域の伝統」に関わる総合学習なら、伝承だけで終わらず、「近代化で失われたもの」を軸に探究学習を組めば、立派なSTEAM教育になるはずです。
• 🔗「地域の文化」を総合学習のテーマにした場合、伝統文化とポップカルチャーを比較文化学的アプローチで「探究」し、伝統文化をポップカルチャー風に翻案・アレンジする「創造」に取り組むのはいかがでしょうか。

⇒ 🔗生成AIとパワポで４コマ漫画「博士と助手」を作ってみた

※ この教育DXブログでは、データとデジタルで教育を変革し、明るい未来を創造する方法について考えていきたいと思います。協働的課題解決力がポイントになると思います。

教育DXで「未来の教室」をつくろう GIGAスクール構想で「学校」は生まれ変われるか [ 浅野　大介 ]

※ ハダノが教育DX研究に本腰を入れるきっかけとなった本です。
文科省だけでなく、経済産業省・総務省など関係省庁の高密度な連携でGIGAスクールが生まれたことがわかります。

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