ハダノ元教頭が GIGAスクール と DX人材育成 について考えるブログ
DX(データとデジタルによる変革)のうち特に重要なのは、AIによる意思決定・アクションです。ゆくゆくはAIによる業務自動化で人手不足が解消され、人はより本質的な仕事に集中できるでしょう。これこそが、真の働き方改革です。
「でも、AIなんて難しくて私には無理」とあきらめてはいませんか。どんな技術も「作る」のに比べて、「使う」だけならはるかに簡単です。高度なAI技術を手軽に使えるようにしたAIツールがたくさん出てきました。知らないうちに、手に届くところに来ているのです。
そんなAIツールを「ふだん使い」して、スイスイ仕事しましょう。
今回お届けするのは……
たくさんの情報に囲まれている私たちは、大事な情報を忘れないようにメモします。ところが、そのメモのありかを忘れてしまいます。ヒトは忘れる動物なのです。
こうなる原因は、「メモの場所・形式がバラバラ」「メモの量が多い」の二つです。
紙のメモにしてもテキスト入力したメモにしても、別々の場所にあると、管理がたいへんです。なくしやすくなります。
メモをクラウドに保存すれば、「PCだっけ」「タブレットだっけ」「スマホだっけ」と探し回る必要はありません。
Google Keep を使えば、どの端末からでもメモを編集・保存・閲覧できます。一見してわかりにくい写真にテキスト入力で説明を加えることもできます。
🔗ICTあるある―1 の 『画像を手に入れる方法』 には、スクリーンショットのことが書かれています。印刷して撮影していたころよりは進歩したと言えますが……。
なんでもかんでもスクショする風潮は、困ったものです。
ページが表示された状態で、共有アイコンを押してKeepを選び投稿すると……
「┇ Googleドキュメントにコピー」ができるので、メモをもとに文書を作成することができます。Googleドキュメントは、ワード形式やPDF形式でダウンロードすることができます。一本のPDFファイルにまとめて、1冊の印刷資料をつくるのは簡単です。
→ 🔗ICTあるある―4「いろんな文書やスキャン画像をまとめられない」
「☑ 新しいリスト」か「┇ チェックボックスを表示」で、『やることリスト』が作れます。チェックすれば、取消線が引かれて下段に移動します。
やることリストをせっかく作っても、やり忘れたらがっかりです。「🔔 リマインダーを追加/編集」で、やり忘れが防げます。
種々雑多な仕事の多い教職員にとって、タスク管理は鬼門です。Google Keep を手にしたら、秘書がついたも同然です。
🔗「超速で成果を出す アジャイル仕事術――プロフェッショナル2.0という働き方」 という本では、構想力・俊敏力・適応力・連携力・共創力を鍛え、答えのない時代に素早く成果を出す方法が述べられています。
アジャイル(俊敏)な仕事のための第一歩として、「仕組み化(抽象化して問題解決)」があげられています。均質的な日本特有の「阿吽の呼吸」「気合と根性」で乗り切る対症療法的なやり方では、本質的な解決にはなりません。具体的事象を抽象化して真因を抽出し、本質的な解決策を講じる「仕組み化」が大切だというのです。
「大事な情報をメモしても、すぐ取り出せず活用できない」という問題の真因は、「メモの場所・形式がバラバラ」「メモの量が多い」でした。それを根本から解決するのが、Google Keep です。
「上司から言われたタスクを付せんに書いてパソコン画面のふちに貼っていたけれども、気づいたら紛失していてタスクを忘れてしまった」を解決するための仕組み化の例として、「単一のツールによるタスクの一元管理」があげられています。これも、Google Keep のタスク管理機能で解決できます。
教員の仕事は、特殊です。校務については、年々種々雑多な仕事が増えていき、とんでもないことになっています。授業については、もともと1回として同じものはありません。題材・生徒・時代によってベストなものが変わるので、ルーティンワークはほとんどありません。カリキュラムは詰め込まれすぎて、破裂寸前です。おまけに、GIGAスクール推進も必要になりました。まともな神経ではやっていられないでしょう。
そんななか、スイスイ仕事をしていくための「仕組み化」として、「Google Keep でメモ・タスク管理を行う」ことを強くおすすめします。自分の校務や教材研究に役立つだけでなく、ICT活用能力ひいては授業力の向上にもつながります。共有機能を生かせば、職場や学級の協働的課題解決力も向上します。
「クラウドを活用しているか」というアンケートにも胸をはって答えられます。だって、「あっ、これメモしとこう」と思ったときに Google Keep を使うだけでいいんですから。
あなたがICT担当者なら、表計算・プレゼン・授業用のアプリの研修より先に、 Google Keep の紹介をしましょう。「そんなアプリ使わんし……」という人でも、メモぐらいはするはずです。「ふだん使い」していれば、クラウドのありがたさが実感でき、自然と他のICT技能もついてきます。
「1回の研修より毎日のメモ」です。