ハダノ元教頭が GIGAスクール と DX人材育成 について考えるブログ
🔗「専門家へのリスペクトが足りない!」 や 🔗「無理解と同調圧力が専門家を苦しめる」 で、
……と述べました。いったいどうすればいいか、考えてみませんか。
【 番組の流れ 】
元中学校教員のハダノとしては、「天下のNHKでもこの程度か」とガッカリです。
【 ハダノのひとりごと 】
「学校教育」について、知識ゼロの大人はいません。みんな少なくとも義務教育は受けているからです。でも、生徒として見た学校と教員として見る学校は別物です。
幼いころから教員志望だったハダノでさえ、そのギャップに驚かされました。学校は教育機関のはずなのに、教育以外の様々な役割を求められます。教員がしなくてもいい雑務を山のように背負わされています。教員は教育関係法規に従い、校長・市教委・県教委・文科省の指示・命令に従わなければなりません。ドラマの教員のように自分の思いで突っ走ることは許されないのです。
生徒間でトラブルが起きたときは、どちらの側に立つこともできません。どの生徒の権利も尊重する必要があります。義務教育では、学ぶ権利は絶対です。
保護者は、我が子可愛さのあまり、バランスを欠いた要求をしがちです。教育委員会の指示通りに収めようとすると、「事なかれ主義ですか」「なぜうちの子を助けてくれないんですか」「教育委員会に訴えてやる」となることもあります。
教員は、「この件でわかったことは……、今後の課題は……」とトラブルを教材化して生徒集団を前進させようとします。守秘義務のため、説明責任を果たせないこともたびたびです。保護者が教員を信頼し、長い目で見てくれてこそ、教育効果があるのです。「教育のプロなら何とかしろ」と丸投げするのは、あまりにも酷です。
難しい年ごろの子どもが何十人も家にいたら……と想像してみてください。
教員の仕事は、職務範囲が不明瞭で非定型なものが多く(特に教頭)、多忙にならざるをえない状況です。授業にしても行事にしても毎回違うことをします。どんなに経験年数を重ねてもいつでも「初舞台」です。
毎日の業務なら習熟できますが、一時期だけのものはそうはいきません。プールは学校によって管理方法がバラバラなので、なおさらです。
ハダノが県都から現在の市へ異動した最初の年のことです。体育教員入院のため、水泳指導とプール管理を職員が輪番で行うことになりました。ハダノの当番の日、「元栓を閉めたか」帰宅後に不安になり、学校へ戻りました。暗く雨も降っていたため、グラウンド入口の車止めチェーンに気づかず転倒したのです。左ひじ複雑骨折で2度の手術入院をしたものの、左手の機能の一部を永久に失いました。
教頭になってからも、プール管理には神経を使いました。消防団の訓練をにらみながら注水量を調節し、水源を共有する近隣家庭が断水しないような綱渡り運用をしたこともあります。本来業務でないことで、ミスをしたからと損害賠償請求を受けるのは理不尽です。民間の専門家に任せるべきでしょう。
「一律に損害賠償請求を行うことがないよう求める」文科省の通知が出ているにもかかわらず、またも4名が36~45万円ずつ支払う事態となっています(→🔗プールの水大量流出 教員らの過失認め損害額の半額を請求)。残業代もなしに過重労働させられ、慣れない業務でミスしたら40万円払わされるようなブラック職場に、どうして若者が来るでしょうか。
教員の負担を減らし、本来業務に集中できるようにすべきことは、プール管理以外にも山ほどあります。改善を阻んでいるのが教育予算不足です。
🔗世界の公的教育費対GDP比率 国別ランキング によれば、日本は 179か国中 121位(2022年)です。これでは、働き方改革も教育改革も絵に描いた餅です。
教員が教育効果をあげるためには、保護者・地域・国民の理解・協力が欠かせません。ぜひ、もっと教職に理解をお願いします。教員志望の学生が減り、日本の未来が危うくなっているのです。
によれば、デジタル人材のタイプには
a デジタルを知らない人材
b デジタルを理解している人材
c デジタルを使える人材
d デジタルを生かせる人材
e デジタルを作れる人材
の5種類があり、
DX推進力 = -a + c + d×e
という公式が成り立つそうです。DX推進への貢献度は、bの「デジタルを理解している人材」はゼロで、aの「デジタルを知らない人材」は、マイナス(阻害要因)ということです。具体的な事例をもとに語られていました。
これは、DXだけでなくいろんな分野の改革に当てはまりそうだと感心しました。
結局、🔗「DX推進パスポートを取得しました」 で述べたことの繰り返しになりますが、スキルの可視化により育成サイクルが回り始めることに期待しましょう。
ちょっと調べればわかることさえ、中途半端な知識からくる思い込みでまちがった方向へ引っ張って行ってしまう……5歳児に叱られる日本国民のなんと多いことか。国民の情報リテラシーを底上げするしかありません。
「若い人はデジタルネイティブだから、パソコンは得意だろう」というのも思い込みです。
は、笑えない現実です。
ハダノは、教頭時代に技術を2年間教えました。スマホ時代になってPCのある家庭は少なくなり、ファイル・フォルダやキーボードなどの基本操作がほとんどできないことに驚かされました。義務教育段階から情報リテラシー向上に力を入れないとヤバイと思いました。
しかし、断絶の溝は深く、理解を広げることは容易ではありません。ヒトとAIの間にも断絶がありますが、
というものも出てきています。疑似言語が「つなぎ役」として使えるという明るい話題です。
教育DXブログは、教育やDXにまつわる 断絶解消のための「つなぎ役」 をめざします!!