ハダノ元教頭が GIGAスクール と DX人材育成 について考えるブログ

見せてもらおうか、生成AI用PCの性能とやらを―2
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見せてもらおうか、生成AI用PCの性能とやらを―2

🕓 10/9/2023 ↻ 10/16/2023

 AIが高速で進化する中、今までできなかったことができるようになりました。文章生成AIや画像生成AIは、革命的なテクノロジーです。

 「生成AIをちょっとさわってみたけど、実用的じゃない」と言う人たちは、部活動でいうと見学・体験入部で見切りをつけています。道具を揃えノックを受け続けて、だんだん楽しめるようになってきます。


 今回お届けするのは……

生成AI用にデスクトップPCを追加購入した件


 前回の記事にあった

  • さっそく生成AI用の最新PCを購入し、Stable Diffusion をローカル実行……

の経緯を紹介します。

 まず、どの程度の性能が必要なのか文章生成AIに相談してみました。


生成AI用PCの推奨スペックは?


ハダノ
Stable Diffusionなどによる画像生成AIをローカル実行するのに向いているPCのスペックを教えてください。

ChatGPT

 Stable Diffusionをローカルで実行するためには、以下のPCスペックが推奨されています:


  • CPU: 現代のAMDまたはIntelのCPU
  • RAM: DDR4またはDDR5 RAMの最低16ギガバイト
  • ストレージ: 信頼性のある会社からのSATAまたはNVMeのソリッドステートドライブで、256ギガバイト以上。最低でも10ギガバイトの空き容量が必要です。
  • GPU: GDDR6メモリを8ギガバイト以上搭載したGeForce RTX GPU

具体的には、以下のNVIDIA RTXカードがそのまま動作します:


  • RTX 2060 (12GB), RTX 2070, RTX 2070 Super, RTX 2080, RTX 2080 Super, RTX 2080 Ti, RTX Titan
  • RTX 3060, RTX 3060 Ti, RTX 3070, RTX 3070 Ti, RTX 3080, RTX 3080 (12GB), RTX 3080 Ti, RTX 3090, RTX 3090 Ti
  • RTX 4090, RTX 4080, 及び未来の40シリーズGPU

ただし、これらは推奨スペックであり、一部の条件下ではこれよりも低いスペックでもStable Diffusionを実行することが可能です。ただし、画像の生成速度や品質に影響が出る可能性があります。また、より大きな画像を生成するためにはより多くのメモリを搭載したGPUが必要となります。


 ハダノが4年前から使っているノートPCは、IntelのCPU(第9世代i7)と NVIDIAのGPU(RTX 2070)です。 → 🔗マウスコンピューター G-Tune NEXTGEAR-NOTE i7941 レビュー 17.3型のメカニカルキーボード採用超売れ筋ゲーミングノートPC

 メモリ32GB、HDD2TBに増強し、長く使うことを目指しました。Stable Diffusion 実行可能スペックも満たしています。普通の作業は今でも快適に行えますが、Stable Diffusion を本格的に使おうとすると無理が出てきました。

 画像生成(1530 x 1024)は1分前後で終わりますが、モデルの切り替えに異様に時間がかかります。20分以上かかることもあるのです。

 致命的なのは、画像生成を長時間行うと落ちるということです。先のレビューの通りノート型としては冷却性能が高い i7941 ですが、熱処理が追いつかずシャットダウンしてしまいます。

ノートPC冷却台

 ノートPCに必須の冷却台 も使っているのに、いよいよ寿命なのか…… と青ざめました。「買い替えるしかない」と考え、🔗マウスコンピューターi7941の後継ノートPC を探し始めました。

 しかし、すべて線をはずして長時間放置後に再起動できるので、故障ではないようです(販売店にて確認済み)。


 故障寿命ではなく性能寿命を迎えたので、買い替えではなく追加購入をすることにしました。販売店では「ノートをお持ちなら、デスクトップはいかがですか」と勧められました。

 ChatGPTが ’未来の40シリーズGPU’ ということで挙げていた RTX 4070 を搭載したPCで考えていくことにしました。


ノート VS デスクトップ


ハダノ
Stable Diffusionをローカルで実行するためにRTX4070搭載のPCを買おうと思っています。
ノートPC、デスクトップPCのどちらがおすすめですか。

ChatGPT

 Stable Diffusionをローカルで実行するためにRTX 4070搭載のPCを購入することを考えているとのこと、素晴らしい選択ですね。ノートPCとデスクトップPC、どちらが良いかは、あなたのニーズによります。


ノートPCは以下のような利点があります:

  • 携帯性: ノートPCは軽量でコンパクトなので、移動しながら作業するのに便利です。
  • 省スペース: デスクトップPCと比べて、ノートPCはデスクスペースをあまり取りません。

一方、デスクトップPCは以下のような利点があります:

  • パフォーマンス: デスクトップPCは通常、同じ価格帯のノートPCよりも高性能です。これは、デスクトップPCが大きな冷却システムを搭載できるため、より高性能なコンポーネントを使用できるからです。
  • 拡張性: デスクトップPCは通常、ユーザーが自分で部品を追加または交換できるように設計されています。これにより、将来的にシステムをアップグレードすることが容易になります。

したがって、頻繁に移動する必要がある場合やデスクスペースが限られている場合は、ノートPCが良い選択かもしれません。一方、最高のパフォーマンスや将来的なアップグレードを重視する場合は、デスクトップPCを選ぶことをお勧めします。どちらのタイプもRTX 4070 GPUを搭載したモデルがありますので、あなたのニーズに最適なものを選んでください。


 同じ RTX 4070 GPU でも、ノートPC用とデスクトップPC用では性能が違うかもしれないと思い、確認してみました。


ハダノ
NVIDIAのRTX4070にはデスクトップ用とモバイル用がありますが、どちらが高性能ですか。

ChatGPT

 NVIDIAのRTX 4070には、デスクトップ用とモバイル用の2つのバージョンがあります。これらは同じ名前を持っていますが、性能は異なります。


デスクトップ版 RTX 4070は、現在の価格帯で最高の性能を提供します。このグラフィックカードは、より高価なGeForce RTX 4070 Tiで使用されているAD104チップのカットダウンバージョンで、1440pゲーマー向けに設計されています。UserBenchmarkによると、デスクトップ版 RTX 4070のスコアは17,848で、これは前世代のRTX 3080よりもわずかに高い数値です。


一方、モバイル版 RTX 4070は、薄型フォームファクターと移動中のゲームプレイを可能にする電力制約型GPUです。しかし、モバイル版はCUDAコア数が少なく、クロック速度が低く、メモリ量とバス幅が小さく、消費電力が大幅に低いため、デスクトップ版と比較して性能が低下します。UserBenchmarkによると、モバイル版 RTX 4070のスコアは12,101で、これはデスクトップ版 RTX 3060 Tiよりも低いですが、モバイル版 RTX 3080よりも高いです。


したがって、パフォーマンスを最優先する場合はデスクトップ版 RTX 4070を選ぶことをお勧めします。一方、ポータビリティを重視する場合はモバイル版 RTX 4070を選ぶことをお勧めします。


 要するに、持ち運ばないなら 1.5倍高性能なデスクトップ版 RTX 4070 がいいということです。最高のパフォーマンスや将来的なアップグレードを考え、デスクトップPCを買うことにしました。

 量販店の既製品は、海外メーカー優勢(→🔗NECや富士通も中国レノボの傘下に)です。国産を応援したい気持ちと好きなパーツで組みたい気持ちから国内BTOショップで買うことにしました。 → 🔗BTOパソコンとは?

 田舎に住んでいるので、近くにお店があると安心です。


マウスコンピューター VS パソコン工房


ハダノ
パソコンBTOショップを国内で実店舗数の多い方から教えてください。

ChatGPT

 日本国内で実店舗数が多いBTOパソコンショップは以下の通りです:


  • パソコン工房:全国に店舗があり、都道府県数よりも多い。
  • ドスパラ:かなりの店舗数を持っています。

また、他にもツクモや マウスコンピューター(G-tune) などの大手メーカーでも実店舗を構えています。これらのショップは、各々異なる特徴やサービスを提供しており、ユーザーのニーズに合わせて選ぶことができます。具体的な店舗数や最新の情報については、各ショップの公式ウェブサイトをご覧ください。


 マウスコンピューター と パソコン工房 のお店に行ってみました。

マウスコンピューターダイレクトショップ パソコン工房のお店

 マウスコンピューターは、完成品が整然と並べられていて、店内で簡単なカスタマイズが可能(本格的なカスタマイズはWebで)とのことです。

 パソコン工房は、自作用のパーツがところせましと並んで、にぎやかな感じです。お店でもWebでも本質的な違いはないとのことです。

 両社は親会社が同じなので、品質やサポートは同等と考えてよさそうです。パソコン工房の方が店舗数が多く自宅から1時間以内で行けますが、マウスコンピューターダイレクトショップへは3時間以上かかります。ただ、マウスコンピューターの修理はパソコン工房でも受け付けてくれるそうです。よって、引き分けです。


 あとは見積を比べて選ぶだけです。だいたいベースモデルの特価品が多いのがマウスコンピューターで、平均的に安くカスタマイズによる価格上昇幅が小さいのがパソコン工房という印象です。

 今回は、先のことを考え少しぜいたくに

  • RTX 4070Ti ,i7-13700KF ,水冷CPUクーラー ,Z790チップセット
  • Windows11 Pro ,Office Home&Business 2021
  • メインメモリ32GB ,2TB SSD
  • 電源1000W PLATINUM認証
  • 3年間保証

という条件で見積もりました。


 たまたま、🔗パソコン工房の LEVEL-R779-LC137KF-UL2X の方が、マウスコンピューターの G-Tune FZ-I7G7T より 3万円安かったので、パソコン工房に決めました。

 🔗27型WQHDモニター と合わせても、45万円を切るので助かりました。キーボードとマウスは無料でついてくるので、これで一応そろいます。


 Webで注文するときにちょっとアクシデントがありました。

【楽天カード】カードのご利用を一部制限しております。
楽天e-NAVIまたはURLをご確認下さい。https://r10.to/hrKRm3

というメッセージが出て、決済できません。買い物履歴から「高額のPCを買う人ではない」と不正検知システムが誤判断したのです(笑)。

 カード利用の覚え「あり」と知らせて、ロック解除できました。


その大きな黒い箱は何?

 注文して届いたのが5日後でした。

 55x55x45cm3 のどでかい箱をあけ、本体・キーボード・マウスを取り出しました。

パソコンの箱の中

 箱の中にケーブルの束と取り付け金具・ねじなどがたくさんはいっていて、「えっ、これを使って組み立てんといかんの?」と一瞬あせりました。将来の拡張用に入れてくれたものとわかって、「なかなか親切だ」と感じました。


 机の上に、モニター・本体・キーボード・マウスを置き、ケーブル類をつなぎました。接続端子がたくさんあるのは助かります。Display Port → モニター 、HDMI → 55型4K有機ELテレビ とつないで、「マルチモニター」にしました。

 Windowsのセットアップで、ライセンス認証にプロダクトキーが必要です。添付文書をよく読み、本体のスクラッチシールを硬貨で削ったら25文字のコードが出てきました。


 Officeのセットアップもスムーズに進み、ブラウザ・ウイルスバスター・プリンタドライバ・画像&動画関係……など定番ソフトを次々とインストールしていきました。

 使っているPCが故障してからだと引っ越し作業は難航しますが、今回のように追加購入だと楽ちんです。データは 🔗パーソナルクラウド にバックアップしています。一通りすんでから、Stable Diffusion をインストールしました。

机の上にPCをセット
妻
画面が大きくてきれい。
いいのを買ったねえ。

と妻も感心しています。


妻
ところで……
その大きな黒い箱は何?

ハダノ
・・・

 どうやら、見慣れない箱がタワー型デスクトップPCの本体だったとは思わなかったようです(笑)。

 基本的に、常時電源オンにしていますが、とても静かで存在を主張しません。冷却性能の高さには驚きです。


【結論】生成AI用にデスクトップPCを追加購入して、大正解!

 🔗PC-9801UV2 以来、37年ぶりのデスクトップPC購入でした。

 学校現場もノートPC中心になって、デスクトップPCは自作マニア向けのものという感じになっていました。しかし、今回あらためてデスクトップのよさを思い知りました。

 これで、当分の間使い続けられそうです。もし故障寿命や性能寿命がきても、そのパーツだけ買い替えればいいのでお金が無駄になりません。


 主目的の画像生成についても、大幅にスピードアップ・安定実行できるようになりました。

  • 静止画像生成速度: 1.5 ~ 2.5 倍
  • モデル切り換え速度: 60 ~ 300 倍

 モデル切り換えが億劫になり、標準モデルで「ビーチを飛んでいる妖精」を生成すると、

標準モデルでビーチを飛ぶ妖精

「妖精」に引っ張られたのか森の中だし、飛んでないし、18才日本人女優に見えないし、細部が破綻しているし……と、残念な結果に。


 以下の yayoi_mix で生成したものと比べると大違いです。

yayoi_mixでビーチを飛ぶ妖精

 ついでに、動画も作ってみました。

yayoi_mixでビーチを飛ぶ妖精動画

 少しちかちかしますが、背景が流れて飛んでいるように見えます。


 同じSeed値(2695752883)で、BlazingRealDrive 、Dark Sushi Mix でも動画生成してみました。

BlazingRealDriveでビーチを飛ぶ妖精動画 Dark Sushi Mixでビーチを飛ぶ妖精動画

 プロンプトの動作指定を "walking" から "flying" に変えると、何となく飛んでいるように見えるから不思議です。

 また、いろいろ試してみようと思います。



※ ハダノ愛用のノートPC i7941 の後継機種として検討したものです。
自宅用のPCはほとんど4年以内に何らかの不具合が出ていましたが、i7941は画像生成以外では快適に使えています。
マウスコンピューターの品質・コスパの高さは驚異的だと思います。
同じ型番で「メモリ・SSDが半分」「Officeなし」の特価品もあるので、よく確認して購入を!!


※ 「パソコン工房」は自作マニア向けの店という感じの名前で損していると思います。ハダノはいつも素通りしていました。
マウスコンピューターと親会社が同じと知って親しみがわきました。
このデスクトップPCは想像以上の性能で、いろいろ挑戦してゆきたいと思います。 ※2024年2月機種更新


※ 40年前から長野県飯山市で作られてきた iiyama ディスプレイは、安心感があります。
飯山工場で作られているマウスコンピューターやパソコン工房のPCと相性抜群です。
ハダノはゲーマーではないので、リフレッシュレートより解像度・色再現性を重視して選びましたが、満足しています。


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教育DXブログの著者: ハダノ
ハダノ顔 Q大理学部生物学科数理生物学研究室にて分子進化学権威の宮田隆氏のもとFORTRANでDNA解析に没頭。F社のSEに内定していたが、科学のおもしろさを教えるため中学校理科教員を選択。
 新任のころから、「答えのない問題を追求させたい」「団結力と文化的な力を集団づくりで」「教育研究をもっと科学的に」「教育の情報化が必要」「チョーク&トークの注入式授業からアクティブラーニングへ」「教科横断的なSTEAM教育で生涯学習・SDGsへ」という思いを持ちつつ、4市10校にて勤務。
 9年間の教頭時代、さまざまな不条理・矛盾に悩み、ICTによる働き方改革を推進。2021年3月定年退職。「特定の学校だけでなく、広く人材育成を」「日本陥没をDXで食い止めたい」「元教員の自分にできることを」と、教育DX研究の道へ。
 おおいたAIテクノロジーセンター会員。デジタル人材育成学会・日本STEM教育学会・日本情報教育学会・データサイエンティスト協会・日本RPA協会の会員。JDLA G検定 2022 #1 合格者。
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