ハダノ元教頭が GIGAスクール と DX人材育成 について考えるブログ

ICTあるある―2「データ消滅、私の嫌いな言葉です」
働き方改革ICTあるある教師のバトンテレワーク

ICTあるある―2「データ消滅、私の嫌いな言葉です」

🕓 6/19/2022 ↻ 6/21/2022

 「ICT活用で教職員の働き方改革というけれど、忙しすぎて覚える時間がない」という笑えない実態が学校現場にあります。落ち込んでいても仕方ないので、あえて笑い話にしてみたのが「ICTあるある」です。


 今回お届けするのは……

SDカードのデータが消えたと泣きつかれ、復旧を試みた件


 学校用のデジカメはデータの管理がたいへんです。油断しているとすぐSDカードが満杯になります。PCに制限がかかっていて、SDカードの読み取りしかできない場合、カメラ本体で一括削除するしかありません。削除の前にPCにデータをコピーする必要があります。「みんなで使うデータは、必ず共有フォルダにも入れましょう」と呼びかけますが、徹底しません。


デジカメ写真が消えた!

前の学校の職員から、SOSの電話がありました。

教員A
教頭先生、市総体の写真をパソコンにコピーしたはずなのに見つかりません。
あれがないとPTA新聞が作れないのです。

ハダノ
いったん落ち着こうか。作業をしたパソコンのエクスプローラーで PC-Windows(C:) の右上の検索窓に次の文字を入れてみてください。
*.jpg(アスタリスク ドット ジェイピージー)

教員A
……ダメです。何も出てきません。
でも、確かにこのパソコンに写真が表示されていたんですよ。

ハダノ
表示されていたからといってそのパソコンに写真があったとは限りません。SDカードから読み取った写真を見て、コピーしたつもりになっていたのでは?
ダメもとで削除済みのSDカードをもってきてください。

Windows File Recovery を使ってみる

 こんなことは、何度もありました。そのたびにハダノは、ファイル復活ツールを駆使しましたが、うまくいかないことも多々ありました。今回、ある記事に書かれていた方法を試してみることにしました。→ 🔗Microsoftのファイル復活ツール「winfr」なら、USBメモリやSDカードの削除データを救出できる

windowsfilerecoverywinfrcmd


 コマンドラインツールなのでとっつきにくい感じがしますが、操作は簡単でした。EドライブのSDカードからDドライブにデータを復元するには、次のコマンドを打つだけです。

winfr e: d: /signature
winfrsignature

 7分ちょっと待つと……

recovered

 581個のファイルが復旧されました。DドライブのRecovery_~ フォルダを開いてみると、

recovery

 その中の jpg フォルダを開くと、

recovery

 確かに写真が復活しています。ファイル名や日付などは新しいものになっています。2つずつあるのは、片方がサムネイル画像のためでしょう。


winfr でデータ復旧に成功

 別のSDカードにコピーし、「Recoveryフォルダのjpgフォルダを見てください。再現ドラマ映像やモンタージュ写真と同じで、あくまでもそっくりさんなので過大な期待は禁物。1000KB未満のファイルはカタログファイルなので無視してください」と言って本人に渡しました。

 「大変ありがとうございました。おどろきです」という連絡があったので、目的の写真は手に入ったようです。今回は、データ削除後まだ1枚も撮影していなかったのがよかったようです。データ復旧には、けっこう手こずります。データ消滅、私の嫌いな言葉です。

 「PCに保存するだけでなく、共有フォルダにも入れるようにしてくださいね。『転ばぬ先のバックアップ』ですよ」と念を押しておきました。


転ばぬ先のバックアップ、個人ならパーソナルクラウドがおすすめ

 学校なら共有フォルダに入れるのが正解です。

 個人なら、①Googleドライブなどのクラウドストレージ、②外付けHDDやNAS(LAN接続HDD) のどちらかになるでしょう。①はどこからでもアクセスできて便利なものの容量が少なく、②は自宅でしかアクセスできないものの容量が大きいという特徴があります。

 ①と②両方のいいとこどりをした製品があります。それがパーソナルクラウドです。ハダノは、2016年7月からずっと WD Cloud 4.0TB を使っています。ファームウェアやソフトウェアがバージョンアップされ続け、今でも便利に使えています。転勤が多く行事の多い教員という立場では、大量のデータを保管したくなります。WD Cloud アプリが用意されているので、外出中にスマホからアクセスすることもできます。ハダノは、音楽ファイルを大量にぶち込んでおいて、スマホで聴きます。ストリーミングサービスは必要性を感じません。

 アクセス権などの設定をすれば、出先から WD Cloud 中の文書にアクセスできるので、テレワークに役立ちます。



※ クラウドストレージは容量が少なく、増やすと毎月お金がかかります。
でも、これさえあれば簡単な設定で自分専用のクラウドが作れます。
ハダノは、2016年7月から一度もトラブルなく使い続けています。


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教育DXブログの著者: ハダノ
ハダノ顔 Q大理学部生物学科数理生物学研究室にて分子進化学権威の宮田隆氏のもとFORTRANでDNA解析に没頭。F社のSEに内定していたが、科学のおもしろさを教えるため中学校理科教員を選択。
 新任のころから、「答えのない問題を追求させたい」「団結力と文化的な力を集団づくりで」「教育研究をもっと科学的に」「教育の情報化が必要」「チョーク&トークの注入式授業からアクティブラーニングへ」「教科横断的なSTEAM教育で生涯学習・SDGsへ」という思いを持ちつつ、4市10校にて勤務。
 9年間の教頭時代、さまざまな不条理・矛盾に悩み、ICTによる働き方改革を推進。2021年3月定年退職。「特定の学校だけでなく、広く人材育成を」「日本陥没をDXで食い止めたい」「元教員の自分にできることを」と、教育DX研究の道へ。
 おおいたAIテクノロジーセンター会員。デジタル人材育成学会・日本STEM教育学会・日本情報教育学会・データサイエンティスト協会・日本RPA協会の会員。JDLA G検定 2022 #1 合格者。
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