ハダノ元教頭が GIGAスクール と DX人材育成 について考えるブログ

テクノロじいやの手作りSDGs―14 「頭のよさ」
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テクノロじいやの手作りSDGs―14 「頭のよさ」

🕓 8/19/2026 ↻ 8/25/2026
 AI、ブロックチェーン、IoT、スマートシティー、自動運転――これらのキーワードを目にすることが増えています。新しいテクノロジーを生かすためには、「社会実装しゃかいじっそう」を進める必要があります。日々の暮らしに役立てられてこそ意味があるとの思いで、情報発信しています。


 今回お届けするのは……

「頭がいい」ってどういうこと? ~質の高い教育をみんなに~

 中学校教員時代、「〇〇高校って、頭がいいの?」と生徒からよく聞かれました。「頭のいい高校なんてない」「入試偏差値だけで決めつけるのは差別だ」とたしなめるのですが、納得できない生徒もいました。

頭がいい高校とは?と疑問な少年

頭をよくしたい中学生へ

1. 動物から学ぶ「環境に適応する頭のよさ」

  • 生き残る力 = 頭のよさ:チーターは速く走る「身体・運動的知能」、ミツバチは集団で助け合う「対人的知能」、渡り鳥は方角を正しく知る「空間的知能」に優れています。
  • 自分のステージで輝く:木登りテストでサカナを評価できないように、動物はそれぞれの環境で生き抜く「強み」を持っています。人間も同じで、評価のものさしが1つであるはずがありません。
動物から学ぶ頭のよさ

2. AIから学ぶ「本当に頭がいいとはどういうことか」

  • 最新のパソコンでも「モデル」が命:いくら高価なAIチップ(素質・IQ)を積んでいても、賢い「AIモデル(考え方の枠組み)」が入っていなければ意味がありません。
  • 素直さと創造性のバランス:指示(プロンプト)をそのまま真に受けるだけでは型通りのつまらない答えしか出せませんし、逆に指示を無視しても的外れになります。目的や文脈に合わせて学習と調整を繰り返すことで、初めて「使いものになる賢さ」になります。
  • プロンプト(問いかけ)で変わる能力:どれほど優れたAIでも、人間がどんな「問い」を与えるかで出てくる答えの質が変わります。公式を暗記しているだけでは現実の課題を解けないように、知っている知識をどう応用するかが「頭のよさ」の正体です。
機械学習で賢くなるAI

3. 日本の若者(キミたち)と「これからの頭の鍛え方」

  • 入試で測れるのは全体のほんの一部:テストで測れるのは「言語」と「論理・数学」の2つだけ。残り6つの知能(空間、音楽、運動、対人、内省、博物)は点数化できません。
  • STEAM学習で頭の筋肉を鍛える
    • インプット(読書):本を読んで豊かな言葉と多様な視点を吸収し、自分の中の「モデル」を育てます。
    • アウトプット(プログラミングやアートなど):学んだ知識を使って、実際に作品を作ったり問題を解決したりします。数学・理科・芸術・技術が混ざり合う「STEAM」の体験こそが、答えのない時代(VUCA)を生き抜く強さになります。
  • 経験が遺伝子のスイッチを入れる:才能やIQだけで未来は決まりません。良質なインプットと手や頭を動かすアウトプットを繰り返すことで、脳の遺伝子スイッチがONになり、AI時代を面白く生きる「本当の頭のよさ」が養われていきます。

 つまり、、、

入試結果ではなく『どんな学習をして、どう応用するか』で頭のよさが決まる!

STEAM学習で頭の筋肉を鍛える中学生

教育に関心のある大人の方々へ

 「〇〇高校って、頭がいいの?」という言葉は、受験体制の弊害を象徴しています。

 入試偏差値は入学者の最低ラインに過ぎないのに、中学校教員はそれを絶対視して進路を振り分けがちでした。実際には、どの高校も合格者の点数には大きなバラツキがあります。

 入試難易度は、受験前の生徒たちの人気で左右されます。高校の価値(そこでどれだけ学び成長できるか)とはかけ離れています。県立高校の普通科などは、異動があるため教師のレベルに差はなく、教育内容も同程度のはずです。

 難関高校では、成績のいい生徒に囲まれて刺激を受けることはあっても、自動的に賢くなるわけではありません。むしろ、ついていけなくて落ちこぼれる危険があります。

 🔗ハワード・ガードナーによれば、人間には8つの知能(言語的知能、論理・数学的知能、空間的知能、音楽的知能、身体・運動的知能、対人的知能、内省的知能、博物的知能)があります が、入試で主に測れるのは、言語的知能と論理・数学的知能の2つだけです。また、知能は遺伝だけで決まらず、経験が遺伝子のスイッチを切り替えるエピジェネティクスも明らかにされつつあります。

 田舎の学校に通ってぐんぐん成績を伸ばし成功した者も教え子にはいます。それなのに、入試結果で人生が決まるかのような誤解を与える「偏差値輪切り教育」をしてしまった反省がハダノにはあります。

 これからの若者には健全な学びや成長への認識を持ってほしいと願っています。


【まとめ】「AIに負けるな」の先へ

 テストの計算や文章の暗記、過去のデータの分析(論理・数学的知能や言語的知能)は、AIのほうが人間より圧倒的に速く正確です。「AIに仕事を奪われる」恐怖から、「AIに負けるな」と頑張らせたくなりますが、入試で測れる力だけを磨いても勝ち目はないでしょう。

 生成AIの頭のよさは、AIチップの性能では決まらず、大規模言語モデルしだいで大きく変わります。

 モデルの推論速度が速くても、プロンプトに対する忠実度が低ければバカな回答しか出力しないし、忠実度が高すぎても紋切り型の回答ばかり出力して創造的ではなくなります。

 ベースモデルに対して、目的に応じた機械学習調整を経て使えるモデルになるはずです。完成度の高いモデルであっても、分野による得意不得意はあり、与えるプロンプト次第で引き出される性能が変わります。

 数学に例えると、公式を知っていても、現実の問題に適用できるかどうかは別の能力の問題です。つまり、IQなどの素質だけでは「頭の良さ」は決まらず、学習と応用の積み重ねが大切だと思うのです。

 AI時代だからこそ、これからの若者にはSTEAM学習が必要だと思います。読書でのインプットとプログラミングやアートでのアウトプットをもっと増やすことが、VUCAの時代を生き抜くための「頭のよさ」につながると考えます。

質の高い教育をみんなに

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教育DXブログの著者: ハダノ
ハダノ顔 Q大理学部生物学科数理生物学研究室にて分子進化学権威の宮田隆氏のもとFORTRANでDNA解析に没頭。F社のSEに内定していたが、科学のおもしろさを教えるため中学校理科教員を選択。
 新任のころから、「答えのない問題を追求させたい」「団結力と文化的な力を集団づくりで」「教育研究をもっと科学的に」「教育の情報化が必要」「チョーク&トークの注入式授業からアクティブラーニングへ」「教科横断的なSTEAM教育で生涯学習・SDGsへ」という思いを持ちつつ、4市10校にて勤務。
 9年間の教頭時代、さまざまな不条理・矛盾に悩み、ICTによる働き方改革を推進。2021年3月定年退職。「特定の学校だけでなく、広く人材育成を」「日本陥没をDXで食い止めたい」「元教員の自分にできることを」と、教育DX研究の道へ。
 おおいたAIテクノロジーセンター会員。デジタル人材育成学会・日本STEM教育学会・日本情報教育学会・データサイエンティスト協会・日本RPA協会の会員。JDLA G検定 2022 #1 合格者。
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