ハダノ元教頭が GIGAスクール と DX人材育成 について考えるブログ

授業配信アプリ「ソックリッカー」を作ってみた
GIGAスクールソックリッカーアクティブラーニングVue.js

授業配信アプリ「ソックリッカー」を作ってみた

🕓 5/1/2022 ↻ 5/9/2022

 この記事では、ハダノが学校現場にいたときに作った、授業配信アプリ「ソックリッカー」について紹介します。近隣の学校・教員のみなさんに実際に使っていただき、高評価を得ています。アクティブラーニング型授業をめざすあなたの役に立つかどうか、お確かめください。

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授業配信アプリ「ソックリッカー」とは?

 せっかくタブレットが導入されても、タブレットの種類ごとに専用のアプリ(多くは有料)をそろえなければなりません。授業でリアルタイムに対話的・協働的に使えるアクティブラーニング用アプリは、意外と少ないのが現状です。

 「なければ作るしかない」と考え、🔗 MOONBlockなどのJavaScriptプレイグラウンドでプロトタイプを作りました。改良を重ね、Vue.js と Firebase でWebアプリとして作り上げました。

 大学では、講義を対話的にするためにリモコン型専用端末「🔗 クリッカー」が普及しました。そのソックリ版が「ソックリッカー」です。 ネット機器さえあれば、簡単に授業を対話的に変身させられます。インストール不要・ユーザー登録不要の無料Webアプリなので、だれでもどの機種でも使えます。

 遠隔教育対応の機能も追加し、GIGAスクール時代の授業改善アプリとして進化中です。


ソックリッカーの使い方

🔗 基本的な使い方 へ

※ ページが表示されなければ、リロード(↻更新)してください。

※ InternetExplorer以外のモダンブラウザー(Chrome,Firefox,Safari,…)で見てください。……以下同様……


ソックリッカー親機(教師用)で制作・送信

🔗 ソックリッカー親機【デモ】 へ


1.クイズ

  • 質問と選択肢を入力し、[投票開始]で投票可能に。
  • 秘密投票で、同調圧力なしで見取りができる。
  • 想起練習(忘れたころに思い出させる)で学力Up。

2.説明

  • 音声入力可能なら、授業者がしゃべったことをただちに文字列化し、表示・記録できる。
  • ワイヤレスイヤホンマイクがあると、授業者が歩き回っても声を拾うことができて便利。

3.Webページ

  • 見せたいページを一斉に見せられる。

4.画像

  • ノート写真などを撮れば、ただちに子機にも表示。

5.プレゼン

  • PDFのページをめくりオンラインプレゼンできる。

6.ホワイトボード

  • 📝で独自ホワイトボードSocPadを新規作成。
  • 簡単な操作で、班で作業後に全体で発表も可能。

ソックリッカー子機(生徒用)で受信・参加

🔗 ソックリッカー子機【デモ】 へ


  • 先生名を入力して授業を選択。以後は先生の管理下で授業に集中できる。
  • 情報を受け取るだけでなく、テレビのdボタンのようにクイズに回答することができる。
  • 開票結果は子機にも表示され、親機の画面を大きく映せない環境や遠隔授業でも使える。
  • オンラインホワイトボードを使うと、生徒同士が自由に意見交換でき、協働学習に役立つ。
  • 特に、思考ツールで「情報の可視化」と「情報の操作化」を行えば、授業は探究・協働型に変わってゆく。
  • 思考ツールの枠 → 🔗 ネット上にある画像
  • → SocPadの背景画像用に自作したもの: ベン図  https://kyodx.com/img/venndiag.svgベン図

ソックリッカー復習(生徒用)で見逃し受信

🔗 ソックリッカー復習【デモ】 へ


  • 自分のペースで授業を振り返ることができる。
  • 欠席生徒も授業を追体験できる。

ソックリッカーの使いどころ(例)… 主体的・対話的で深い学びへ

1 単元導入時

  • 単元に関連するレディネステストのクイズをソックリッカーでする。
  • 単元に関連する疑問や追求したいテーマを書かせ、含まれるキーワードをクイズで問う。🔗 「質問づくり」で質問を絞り込むのにも使える。選択肢は、とりあえずア~エとしておき、その場で板書してもよい。
  • これを生徒が実生活で出会いそうな場面設定に生かし、真正の学習になるよう、単元を計画する。

2-1 授業導入時

  • 前時までの復習クイズ。または、生活経験からすでに知っていることをクイズで問う。
  • 前時の振り返り・本時の導入のプレゼンをソックリッカーでする。5分以内にまとめる。
  • 本時の導入クイズで、予想・意見・立場の分布を調べる。少数派から理由を述べさせるとよい。
  • 教科の目標と実態のギャップを埋めるべくめあてを設定するが、語彙力・読解力・メタ認知力不足のため、ボタンの掛け違いが起こりがち。「何を,なぜ,どう学ぶのか」クイズをし、班でめあてを確認してから演習に移りたい。困りやつまづきを把握し、授業改善に即生かせる。

2-2 授業展開時

  • 班活動・ペア活動を基本とした演習(問題を解く、実験・実技・ワークショップ・調べ学習をする、意見をホワイトボードにまとめる)を行う。演習中に「チームで協力できていますか」「あと○分ですが順調ですか」「○○ さんはどう思いますか」の3つの質問を投げかけ、気づきを促す。紹介したいノートやホワイトボードを撮影してソックリッカーで見せるとよい。意見をSocPadなどのオンラインホワイトボードにまとめるのにもソックリッカーが使える。
  • 「比べ・分類する」ことで違いに気付かせるクイズ、過去の経験と「関連付け」させるクイズ、(少し時間を置いて)理解度を確認するクイズなどを時々行う。

2-3 授業まとめ時

  • 班ごとに発表させたとき、どの班がよかったかクイズで相互評価させる。
  • ワークシート穴埋め、または白紙に学んだことを書かせ、本時の内容(解決したもの・未解決のもの)をまとめさせる。そこに含まれる(含まれない) キーワードをクイズで問う。
  • クイズの答えについての解説のプレゼンをする。3分以内にまとめる。
  • 本時を振り返らせ、態度目標の達成度や他人へ説明する自信度などをクイズで問う。

3 単元まとめ時

  • 単元を通して学んだことを書かせ、そこに含まれるキーワードをクイズで問う。
  • 知の成果物(論文・新聞・プレゼン・作品)を作らせ、どれがよかったかクイズで相互評価させる。
  • 単元全体を振り返らせ、態度目標達成度・説明自信度・「生徒による授業評価」をクイズで問う。


※ 小林昭文先生のアクティブラーニングの本は間違いがありません。
ハダノが「だまされたと思ってこの通りに授業してごらん」とすすめた教員がめきめき腕を上げて、指導的な立場になるのを見ました。


※ 「教師が発問し生徒が答える」⇒「生徒が質問し教師がガイドする」へ授業を大転換できる本です。
ハダノも「電気について学びたいことは?」などと書かせて始めた単元は、「生徒の食いつきが違う!」と実感した覚えがあります。
「質問づくり」は、ヤラセではない本物の探究型授業を実現する近道です。


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教育DXブログの著者: ハダノ
ハダノ顔 Q大理学部生物学科数理生物学研究室にて分子進化学権威の宮田隆氏のもとFORTRANでDNA解析に没頭。F社のSEに内定していたが、科学のおもしろさを教えるため中学校理科教員を選択。
 新任のころから、「答えのない問題を追求させたい」「団結力と文化的な力を集団づくりで」「教育研究をもっと科学的に」「教育の情報化が必要」「チョーク&トークの注入式授業からアクティブラーニングへ」「教科横断的なSTEAM教育で生涯学習・SDGsへ」という思いを持ちつつ、4市10校にて勤務。
 9年間の教頭時代、さまざまな不条理・矛盾に悩み、ICTによる働き方改革を推進。2021年3月定年退職。「特定の学校だけでなく、広く人材育成を」「日本陥没をDXで食い止めたい」「元教員の自分にできることを」と、教育DX研究の道へ。
 おおいたAIテクノロジーセンター会員。デジタル人材育成学会・日本STEM教育学会・日本情報教育学会・データサイエンティスト協会・日本RPA協会の会員。JDLA G検定 2022 #1 合格者。
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