ハダノ元教頭が GIGAスクール と DX人材育成 について考えるブログ
「AIの重要性はわかるけど、とっても難しそう」「素人が独学でAIの資格を取れるの」「もう若くないから勉強はしんどい」としり込みしている方も多いと思います。
この記事では、ハダノが日本ディープラーニング協会のG検定を受けてみた感想と、実際に役立ったおすすめの本2冊を紹介します。
ハダノは、県教委から「新教育課程説明会」中学校理科説明者に指名され、2年間2つの市で活動しました。
当然、総則の趣旨を踏まえて説明しました。新学習指導要領の「学習指導要領改訂の経緯及び基本方針」には、次のように謳われています。
要するに、「AI時代に対応した教育」をめざしているというのです。しかし教員は、肝心のAIがどういうものかはわかっていません。理・数・技の教員でも、わかった気になっているだけでしょう。これでは、新学習指導要領の具現化は困難です。「AI時代に対応した人材」を世に送り出すことはおろか、キャリア教育さえまともにできない学校になってしまいます。
生き残りをかけて、社員にAIの資格を取らせる企業が増えているようです。中でも、日本ディープラーニング協会のG検定が人気です。ハダノも挑戦してみようと思い立ちました。
G検定は、自宅でオンライン受験です。ハダノが住んでいる市は、光回線エリア外(将来も予定なし。NTTに確認済み)のため、ADSLで接続していました。最高10Mbps、休日などは1~2Mbpsまで落ち、しばしば切れるという悲惨な状態でした。「光は来ないし、5Gを待つか。田舎は後回しだろうなあ」と思っていたら、2021年夏に出た 🔗docomo home 5G HR01(5G対応ホームルーター)が、「4Gでも十分使える」と好評でした。
10月はじめに home 5G をゲットしました。休日でも150Mbps前後出るようになり、来年のG検定を受けようと決心しました。
教師の悲しい性で、教科書と問題集がほしくなりました。ネットでいろいろ調べた結果、定評のある2冊に決めました。
「参考書とノートはいいの?」という心の声に対しては、「とりあえず参考記事はネットで検索し、ノートはマインドマップで」というスタンスでした。
本格的に勉強を開始したのは11月からでした。2022年3月5日まで4か月です。前半に教科書、後半に問題集、ざっくりとページ数を割り当ててかかりました。教科書の章末問題|問題集 の正答率は、以下のようになりました。
教科書 | 問題集
細かく見ると、4.の中で「教師あり学習の代表的な手法」が5割、6.の中で「CNN」4割・「深層強化学習」1割、7.の中で「自然言語処理」が4割の正答率であり、苦手分野が偏っていました。本番の出題数は、5.6. > 7. > 4. >2. > 1.3. とされているので、この苦手分野は見過ごせません。このままでは不合格です。
中学校の理科教員でSF好きで、プログラミングを趣味でやっていても、AIの勉強に有利とはいえません。先入観を捨てて一から学ぶ必要があると痛感しました。
Google の coggle は、オンラインでマインドマップが作れて便利です。基本無料で、曲線が美しい枝の色を変えたり、リンクを貼ったりできます。AI関係は、耳慣れない用語や紛らわしい用語が多くてたいへんですが、マインドマップにするとすっきりします。自分の苦手分野は、詳しく調べて書き込みました。
「これはどういうことなんだ!」という問題にぶちあたっても、よく見るとほとんど教科書に書いてありました。「基礎基本が大切」と生徒には言ってきましたが、11月の自分に言ってやりたくなります。
13~15時の120分間で、191問もあります。「自宅受験なら、うろ覚えでも検索したり本を見たりできるから楽勝だ」と考えていたら撃沈します。
4択ですが、単純な暗記問題は少なく、考えたり計算したりしているとすぐに時間がたちます。あとで解こうとチェックしておいた問題は、見返すことはありませんでした。あと数問を残して時間切れとなりました。検索なんてしている時間はありません。マインドマップを見返して確認するのが関の山でした。
🔗バッハの平均律(桑形亜樹子さんのチェンバロ)をずっと流しながら、落ち着いて受験できたことが、自宅受験でよかった点です。バッハは本当に心が整います。
3月17日にメールで結果がきました。6,760名中4,198名の合格者の仲間入りができました。
分野別得点率は教えてくれました。1.2.3.が8割、4.が9割、5.6.が8~9割、7.が7割のできでした。苦手分野の補強が何とかうまくいったようです。数理・統計が5割しか解けなかったのは、時間のかかりそうな計算をとばしたせいもあるでしょう。
G検定を受けて、いろいろな気づきがありました。いちばんは、「自分はAIのことをほとんど何も知らない」ということです。さらに学び続け、教育DXという形で社会実装していきたいと思います。
さいわい、G検定・E資格の合格者のみが参加できるコミュニティ「CDLE」への加入資格が与えられたので、活用していくつもりです。3月26日「CDLE DAY 2022【春】CDLEメンバーの文化祭&懇親会にも参加してみました。合格者は20代30代が多く、60代は極少数派でした。若い人の中には、「CDLEで学びたいから、G検定を受けた」という人もいて、熱気にあふれていました。こんな若者たちの芽をつまない学校教育でありたいと思います。