「ICT活用で教職員の働き方改革というけれど、忙しすぎて覚える時間がない」という笑えない実態が学校現場にあります。落ち込んでいても仕方ないので、あえて笑い話にしてみたのが「ICTあるある」です。
今回お届けするのは……
知らずに使われた特殊なフォントの代わりにフリーフォントを埋め込んで、パワーポイントの文字崩れを直してみた件
教員が扱う文書にはさまざまなものがありますが、パワーポイントのフォント選びは見栄えに大きく影響します。プレゼンの場合、作成するPCと実行するPCが同じとは限りません。インストールされているフォントなどPC環境の違いによって思わぬ結果を引き起こすことがあるのです。
フォントが違っているようです!
子ども食堂のSさんから、連絡がありました。
ハダノ先生に作っていただいたパワーポイントファイルをMさん(プレゼン指導者)に見せたら、「フォントが違っている」と指摘されました。
申し訳ありません、見直しお願いできますか。
いただいた去年のファイルからフォント設定は変えていません。私のPC2台とも、開いた時点で 「メイリオ 」という標準フォントになっていました。
考えられるのは、通常のPCにインストールされていない特殊なフォントを使って作ったため、フォントが標準のものに置き換わったということです。
丁寧に原因を考えていただきありがとうございます。
私では、内容がわからないので、Mさんが来られてから
あらためて、ご連絡いたしますね。
Mさんはプレゼンのプロですが、ソフトウエアの達人とは限りません。元々のフォント設定をMさんに確認しても、らちがあかないかもしれません。
一太郎が犯人?
ハダノの経験では、「特別なフォントはインストールしてないけどなぁ」「自分のまわりの人のPCでも同じように表示されるけどなぁ」という場合は、たいてい「一太郎」が犯人です。
一太郎をインストールすると、
🔗一太郎11に添付されているフォントの種類について
のようなフォントが自動的にインストールされます。
「DF/DHP特太ゴシック体」などは、とても目立つのでプレゼンで使いたくなるのですが、人に渡すファイルで使ってはいけません。
プレゼンを作成したPCと実行するPCが異なる場合、次のようにするのが常識です。 → 🔗フォントの埋め込みで、パワーポイントの文字崩れを未然に防ぐ
しかし、「DF/DHP特太ゴシック体」は有料フォントなので、「フォントの埋め込み」はライセンス違反となってしまいます。
周りの人がみんな一太郎を使っていると、つい標準フォントと錯覚してしまいますが、特殊なフォントなのです。
DF特太ゴシック の代わりに Noto Sans JP を
よく似たフリーのフォントとして有名で広く使われているのは、Googleの「Noto Sans JP」 です。
いろんな太さがありますが、最大の太さのものを適用し、「フォントの埋め込み」もしてみました。

無事に差し替えできました。
とにもかくにもお忙しい中、ご対応ありがとうございました。
数年前、文科省からの文書や前任教頭が残した文書を一太郎形式からワード形式に変換するためにやむなく一太郎をインストールしていました。
そのときに「DF特太ゴシック」を使って作った文書が、一太郎の入ってないPCでは、別のフォントに変わっていたので、一太郎が悪さをしていると気づきました。
今回は、一太郎のないPC環境でもほぼ同じ見た目になるように、Google製のフリーフォントを埋め込んだのです。
【まとめ】できるだけ標準的なフォントを使おう
mp4のような動画ファイルと違い、プレゼンファイルの場合は、作成時と実行時のPC環境の違いに悩まされます。
「できるだけ標準的なものを使う」というのが鉄則です。一太郎 をやめて ワード を使う意義を再確認しました。
業者から勧められるままにアプリを導入するより、ふだん使っているオフィスでできることを追求することは、教員の働き方改革につながります。
パワーポイントを深掘りしたければ…… → 🔗「できるPowerPointパーフェクトブック困った!&便利ワザ大全」
※ マイクロソフトオフィスは事実上の標準です。特に、.docx .xlsx .pptx のファイル形式になってから、OpenXMLというWeb標準に従うようになりました。
ハダノは特定のメーカーの製品をひいきするつもりはありませんが、トラブル防止のため最新のオフィスを使用することをおすすめします。
さまざまなエディションがあるので、自分のニーズにマッチするものをご購入ください。教員はアカデミック版が買えて得ですが、広告つきのブログに載せるなどの商用利用はできないのでご注意を!
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教育DXブログの著者: ハダノ

Q大理学部生物学科数理生物学研究室にて分子進化学権威の宮田隆氏のもとFORTRANでDNA解析に没頭。F社のSEに内定していたが、科学のおもしろさを教えるため中学校理科教員を選択。
新任のころから、「答えのない問題を追求させたい」「団結力と文化的な力を集団づくりで」「教育研究をもっと科学的に」「教育の情報化が必要」「チョーク&トークの注入式授業からアクティブラーニングへ」「教科横断的なSTEAM教育で生涯学習・SDGsへ」という思いを持ちつつ、4市10校にて勤務。
9年間の教頭時代、さまざまな不条理・矛盾に悩み、ICTによる働き方改革を推進。2021年3月定年退職。「特定の学校だけでなく、広く人材育成を」「日本陥没をDXで食い止めたい」「元教員の自分にできることを」と、教育DX研究の道へ。
おおいたAIテクノロジーセンター会員。デジタル人材育成学会・日本STEM教育学会・日本情報教育学会・データサイエンティスト協会・日本RPA協会の会員。JDLA G検定 2022 #1 合格者。